抜根と伐採の違いは?抜根の意味や手順費用相場などを解説
「抜根(ばっこん)」という言葉を耳にすることがあります。
「抜根」とは何を意味する言葉なのかご存じの方は少ないのではないでしょうか。
木の根を抜いてまっさらにする作業のことを「抜根」といいます。
では、なぜこのような作業が必要になるのでしょうか。
また、類語の「伐採(ばっさい)」とはどこが違うのでしょうか。
そこで、抜根の作業目的や作業内容などについて詳しく解説します。
費用相場についても触れていますので、ぜひご参考にしてください。
「抜根」とは
抜根とは、木を切った後の根をまっさらに抜く除業のことです。
1.抜根の目的
A:蜂の巣ができたりシロアリが大量発生したりするのを防ぐ
B:美観が損なわれるのを防ぐ
C:歩行者がつまずくのを防ぐ
D:他の植物を木の根があった所に植えたい
2.抜根方法
A:手で引き抜く
B:車で引っ張って抜く
C:ブルドーザーで掘る
D:手動抜根器で引き抜く
E:抜根機でくり抜く
F:薬剤を使用する
3.注意すべき点
以下の3つの点に注意して抜根をおこなわなければなりません。
① 障害物がある場合は完全に除去できない
コンクリートの下や建物の下などに木の根が張り巡らされていたり、複雑に絡まっていたりした場合は、完全に除去ができない場合があります。
⓶ 土壌が柔らかくなる
あまり深いところまで根が張っている場合、根を抜いたら土壌が柔らかくなってしまうこともあるようです。
あるいは、基礎や配管を傷つけてしまうこともあります。
③ 薬剤を使用する場合も
住宅に根が絡まって抜根できない場合などは、薬剤を使用して根を枯らしてから抜根することがあります。
その場合は、ペットやガーデニングの植物に影響がないように注意が必要です。
自力抜根の手順
抜根は、自分でおこなうこともできます。
自分で行う場合の作業手順は以下のとおりです。
手順1. なるべく離れたところから掘る
シャベルを使って掘るときは、木からなるべく離れたところから掘り始めましょう。
木の根は幹から近いと太く、離れるほど細くなるので作業が楽です。
手順2.ノコギリで切る
ノコギリは、土が付いても切れる専用のものを使うようにしましょう。
通常のノコギリでは土が付着すると切れなくなってしまうので注意が必要です。
手順3.ノコギリの先端を使って引き抜く
切り株がグラグラしてきたら、テコの原理を使って、ノコギリの先端を幹の真下に差し込んで引き抜きます。
根が深いところまで張っている場合は、無理をせず業者に依頼する方がいいでしょう。
「伐採」とは
一方、抜根とよく似た言葉の「伐採(ばっさい)」とは、木を根元で切り、根は残したままにしておくことです。
林業で丸太を生産するためにチェーンソーやノコギリなどを使っておこなわれます。
1.伐採の目的
A:街路樹などが電柱に触れるのを防ぐ
B:庭木で影ができるのを防ぐ
C:落葉がたまるのを防ぐ
2.注意すべき点
伐採の際は以下の4点に注意しなければなりません。
① 電線などが近くにないか確認する
近くに電線がある場合は、感電の危険や気が電線に引っかかって停電となる恐れがあるので、最寄りの電力会社に連絡します。
⓶ 近隣にあいさつをしておく
伐採作業中は騒音も出ますし、ホコリが出たり葉が落ちたりする場合もありますので、あらかじめ近隣の方に了解を得ておくようにしましょう。
⓷ 安全なスペースを確保する
木が倒れる場所には近づかないように周知し、周辺に危険なものはないかを確認します。
④ 特殊伐採も
電柱や建物が近くにある場合は根元からバッサリと切ることができません。
そのため、クレーン車などを使った特殊な伐採方法が採用されているようです。
少しずつ木の上の方から切り、クレーン車で吊り下げ、そのまま運搬します。
伐採・抜根の費用相場
抜根と伐採の費用相場を以下に示します。
1.抜根の費用
A:30センチ未満 3万3,636円
B:30~50センチ未満 5万5,227円
C:50~80センチ未満 8万6,364円
D:80センチ以上 12万9,091円~
※切り株の処分費用や重機費用、穴を埋めて整地にするための費用が別途必要になります。
※1本あたりの平均費用は2万3,634円
2.伐採の費用
A:3メートル未満 1万6,464円
B:3~5メートル未満 2万8,714円
C:5メートル以上 4万1,786円~
※伐採後の処分費用が追加される場合もあります。
※重機を使用した場合は別途、重機費用が必要です。
※1本あたりの平均費用は10,731円
3.伐採と抜根は同じ業者と契約する
切り株を残したままにしておくと蜂の巣ができたりシロアリが大量発生したりするおそれがあるので、伐採をおこなう際に抜根もセットでおこなう方がよいでしょう。
そのほかにも、同じ業者に依頼するメリットとしては、何度も業者を手配する必要がないので、時間や費用が節約できる点があります。
まとめ
「抜根」を中心に、「伐採」との違いや、目的、作業方法、注意点などを中心に解説してきました。
木の根を抜いてまっさらにするのが「抜根」であり、木の根を抜かないで残しておく「伐採」とは異なるものです。
抜根の目的はシロアリや蜂の巣が発生することを防止するなどの目的があります。
また、場所によっては抜根ができないこともありますし、抜根すると土壌が柔らかくなるおそれがありますので、注意が必要です。
抜根も伐採も業者に依頼した場合はそれぞれ費用が発生します。
費用は、幹の大きさによって変わってくるのが一般的です。
良心的で、評判の高い業者を選定することは大切なポイントでしょう。