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土木工事における解体作業とは?仕事内容や許可や資格について

古い建築物、ビル、橋梁、道路などを撤去するためには解体作業が必要です。
普通は建設業者に依頼して行いますが、建設業者であるからといって解体工事をしてはいけない場合があります。
つまり、解体工事には許可が必要となるのです。

今回は、解体作業に関する許可、必要となる要件、国家資格などについて解説していきたいと思います。

ポイントは

・500万円未満の解体費用の場合解体工事業許可のみで事業可能
・500万円以上の解体費用がかかる場合は建設業許可が必要

という点です。

この記事を読むことで、解体作業そのものの作業内容や、実施するにあたっての許可、資格についてさらに知ることができます。

 

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土木工事における解体作業とは?仕事内容や許可や資格について

土木工事の解体ってどんな作業?

土木工事の解体とは、建物や構造物を取り壊す作業のことです。

例えば、道路、橋梁、ダム、トンネルなどの既存の土木構造物を解体・撤去し、新しい構造物の建設や環境整備を行うための作業です。
大規模な工事現場だけでなく、個人宅のリフォームなどでも行われます。
解体作業は、状況に応じて様々な技術や機械が使われます。

具体的には、重機を使ってコンクリートや鉄筋を破壊し、解体物を運搬するなどが挙げられます。
解体作業の目的は、安全かつ効率的に土木構造物を撤去し、環境に配慮した廃材の処理やリサイクルを行うことです。
解体作業は、建築現場の前段階として行われることが多いですが、場合によっては工事後にも行われることがあります。
建物は、老朽化や改修、建て替えなどが理由で解体されることがあります。

解体工事ができる建設業許可の種類

解体工事を行うためには解体工事業登録をしていれば建設業許可は不要です。
しかし、解体費用が500万円以上の場合は建設業許可も必要になります。
解体工事業そのものに関しては、建設リサイクル法に基づく規定に基づいています。
解体費用が500万円未満という規定により小規模な解体業者が多数登録されています。

それに対し、建設業許可が必要な場合は解体工事業以外にも、土木一式工事、建築一式工事、とび・コンクリート工事業のいずれかの建設業許可が必要となってきます。
この点について少し深掘りをすると、平成28年までは解体業は土木一式工事、建築一式工事、とび・コンクリート工事業の区分内に分けられていました。

しかし、平成28年6月1日に施行された建設業法の改正法により解体工事が新設されると、土木一式工事、建築一式工事、とび・コンクリート工事業の区分に新たに解体工事という項目が新設されることとなりました。

そのため、現在では以下の4つの工事区分に分けることができます。

・土木一式工事
・建築一式工事
・とび・コンクリート工事
・解体工事

さらに、解体工事業は2つの区分に分けることができます。

・一般解体工事業
・特定解体工事業

一般解体工事業は、建物の取り壊しを行う許可であり、特定解体工事業は、危険物の除去など、特定の規模や条件下で行われる解体工事を行う許可です。

このように少しややこしいのですが、基本的には500万円未満の解体工事であれば建設業許可が不要、それ以上の解体費用がかかる場合は建設業許可が必要という風に覚えておけば問題ありません。

 

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解体工事業登録を行うための要件

解体工事業を行う上で必要となる要件は3つあります。
この場合の要件とは、解体工事業許可そのものの要件となりますので解体工事業のみを営む業者に必要な要件ということが言えます。

必要な3要件は以下の通りです。

・解体工事業の登録は、工事を施工する都道府県ごとに受ける必要がある
・解体工事の現場には、常勤の技術管理者を配置する
・解体工事業登録を行う際、要件を満たさない欠格要件が無い
※欠格要因とは解体工事業の登録取り消しから2年未満や業務停止命令期間が経過していないなどを指します

このうち、常勤の技術管理者の配置に関しては、

・解体工事に8年以上の実務経験を有する人
・施工技士や施工管理技士
・建築士
・とび・とび工技能検定合格者
・解体工事施工技士」試験合格者

を選任しなければなりません。

一方で、建設業許可を加味した場合についても考えてみましょう。
この場合、前述の通り建設業許可が必要となってきます。

建設業許可は、国土交通省が発行する許可で、建設業務を営む業者のうち、解体業の信用性や技術力を担保するものです。
解体工事ができる専任技術者を配置しなければなりません。
以下の通り、専任技術者になるためには下記の要件を満たす必要があります。

1.保有資格によって許可される場合

・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(土木)
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(建築または躯体)
・技術士 建設部門・総合技術監理部門(建設)
・技能検定 とび ※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
・解体工事施工技士

2.学歴および実務経験の場合

下記の学科を卒業し、かつ、高卒であれば5年以上、大卒・高専卒であれば3年以上の解体工事に関する実務経験があれば、一般建設業における解体工事の専任技術者になることができます。

・土木工学
・建築学

3.実務経験のみの場合

上記要件にあてはまらない場合でも、解体工事に関する10年以上の実務経験があれば、許可を得ることができます。

解体工事業において資格が必要な作業

解体工事においては、上記許可の他にも、いくつかの作業で国家資格や技能検定が必要とされる場合があります。
主な資格や技能検定は以下の通りです。

クレーン・デリック運転士

重機を操作する際に必要な資格で、安全かつ適切な運転技術を証明します。

管理技術者

解体工事の現場管理を行う際に必要な資格で、施工管理や品質管理などの知識を持っていることが求められます。

危険物取扱者

爆発物やガスなどの危険物を取り扱う際に必要な資格で、安全な取り扱い方法や法令の遵守に関する知識を持っていることが必要です。

土木施工管理技士

土木工事全般の現場管理を行う資格で、建設プロジェクトの計画から竣工までの管理能力を証明します。
これらの資格や技能検定を取得することで、解体工事における専門性や安全性を高めることができます。

解体工事業許可については専門業者にご相談を

解体工事業の許可や資格取得に関する手続きは、専門的な知識や経験が求められるため、専門業者に相談することをお勧めします。
専門業者は、許可取得の手続きや資格取得に関するサポートを提供しており、スムーズな手続きが可能となります。

また、解体工事を依頼する際にも、許可や資格を持つ専門業者を選ぶことで、安全かつ適切な解体工事が行われることが期待できます。
解体工事業者を選ぶ際は、業者の実績や評判を確認し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

 

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