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土木工事での堀削作業を知ろう!機材や手順について解説

建築業に興味のある方のなかには、「土木工事の掘削作業について知りたい!」といった方もいるのではないでしょか。
また、「掘削作業ではどんな機材を使うのか知りたい!」など、掘削作業についてさらに詳しく情報集めをしたい方もいるでしょう。

そこで今回は、以下についてご紹介します。

・掘削作業での注意点
・掘削作業の機材
・掘削方法の種類
・掘削作業の手順

土木工事で掘削作業に携わる予定の方や興味のある方は、本記事を参考にしてください。

土木工事での堀削作業を知ろう!機材や手順について解説

掘削作業とは

掘削作業とは、バックホウなどの重機を使用し、地盤や岩盤を取り除きます。
主な目的は地盤調査や井戸づくり、温泉採掘です。
掘削作業は、一度堀った場所の土の埋め戻しは行なわないため、「床堀り」とは異なります。
掘削作業でなければ、地下の階層を調べたり地上より下に建設したりができないため、建築業での掘削作業はなくてはならない大切な存在といえるでしょう。

掘削作業を始める際の注意点は、以下のとおりです。

・掘削場所の埋設図を見つける
・試掘
・既存の配管付近は手掘り

配管の埋設情報は破損を防ぐためにも大切な情報で、掘削作業をする場所には、配管が埋まっている場合があります。
埋設された配管が見つかった場合は、配管を守るために手掘りをするなど優しくていねいに試掘し、配管を傷つけないよう気をつけて作業してください。

掘削作業の機材について

土木工事の堀削作業で使われる主な機材は、以下のとおりです。

・バックホウ
・クラムシェル
・フラスコ式クラムシェル

それぞれについて、詳しくご紹介します。

バックホウ

子どもに大人気の「ショベルカー」の名称はバックホウです。
アームに取り付いている底が深いバケットを使って掘削し、直接地面の土を掘れるのが特徴。
掘削工事以外の工事現場でも使用頻度が高く、たいへんポピュラーな機械です。
また、堀った土が深すぎず地上に近い位置であれば、ダンプトラックに積み込む作業も可能です。

クラムシェル

開閉式のバケットで、地下の奥底で掘られた土を地上のダンプトラックに積み込むための機械です。
バックホウで直接掘削できなくなった土を、地下から地上へと運ぶ役割を担い、主に柔らかい地盤に適しています。
地上へ運んだ土を、ダンプトラックへ積み込みができるのも利点です。
クラムシェルは、バックホウでは届かなくなった土を運べる「救世主」のような存在といえるでしょう。

テレスコ式クラムシェル

油圧によりアーム部分が伸縮可能なクラムシェルを指します。
通常のクラムシェルと同様に、バックホウでは積み込めない土を地上に運んだり、ダンプトラックに積み込んだりが可能です。
さらに、テレスコ式はアーム部分で調節可能なため、クラムシェルに比べてより効率よく土を運べる機材といえます。

掘削の種類について

土木工事での堀削作業の種類は、主に以下のとおりです。

・ロータリー堀削
・泥水堀削
・エア堀削

それぞれについて、詳しく紹介します。

ロータリー掘削

刃先(通称ビッド)と地上の機械を掘管で連結し、刃先の回転する力を使って地層を堀削する方法で、堀管は連結し伸縮が可能なため地下深くまで掘れる、地盤の硬さに関係なく掘り進めるところがポイントです。
ロータリー掘削を採用する際はやぐらを組む必要があり、主に大規模の掘削作業で用いられます。

泥水掘削

掘削屑を地下から地上に運び出す際に泥水を循環させ掘削を行なう方法。
泥水を使用する主な利点は、以下のとおりです。

・ビットの冷却や循環性の保持
・掘削屑の除去
・地下の圧力の抑制 など

泥水掘削では、泥水がジェット状に噴出するノズル付きのビットを使用します。

エア掘削

泥水の代わりに空気を使い掘削作業をする方法です。
地熱井を掘削する際の掘削屑の除去作業が無くせるため、コストダウンができるでしょう。
しかし、泥水掘削とは異なる技術の習得が必要となります。
また、高圧・大流量のコンプレッサーを使用するため、大規模な設備のを設置しなくてはなりません。

地下を掘削する際の主な手順

上記で記載した機材や方法を用いて、土木工事で行なわれる掘削作業の主な手順をご紹介します。

掘削方法 掘削作業の手順
1次掘削 ➀バックホウで地面を掘る

②土留めに沿って土を掘り、ダンプトラックに積み込む

➂土留め工事を行なう

2次掘削 ➀掘ったところまでバックホウが降りたら、再び掘削作業を開始

②1次掘削の場所より深いため、クラムシェルを使い土を積み込む

➂切梁の志保工を設置

➃露出した土留め壁を支える

3次掘削 1次掘削、2次掘削と同様

作業する土地により掘削途中で地下水が湧き出る場合もあるため、必要に応じて排水作業を行ないます。
排水をしないと、土全体が泥状となり、土が重く掘削作業に支障をきたす恐れがあるためです。
排水作業は、釜場排水工法やディープウェル工法(深井戸工法)が用いられます。

まとめ

土木工事で掘削作業をする際は、さまざまな機材や方法があります。
それぞれの利点を把握し、その場所にあった機材や方法を選択しましょう。
また、必要に応じて排水作業をするなど、手順を頭に入れておくと現場で臨機応変に対応できます。
掘削作業について知りたい方は、本記事を参考にしてください。

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