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ゼネコンとは?サブコンとの違いやゼネコンの仕事内容など解説

誰もが1度は聞いたことがある建設に関する言葉といえば、ゼネコンが思い浮かぶのではないでしょうか。

ゼネコンは総合建設業者のことで、おもに大規模な建設工事や土木工事を請け負う会社です。
ゼネコンは日本の社会発展に大きく寄与してきた企業で、道路や橋、港湾施設、大型ビルなど、あらゆる土木工事や建設工事に欠かせない存在です。

ゼネコンは施工管理を中心としているため、ゼネコンの社員が施工そのものを担当するケースはあまりみられません。
しかし、滞りなく工事を完了させるためにゼネコンの果たす役割は大きいといえます。

この記事では、ゼネコンとは何か、ゼネコンの事業内容、さらにはゼネコンとサブコンの違いなど、ゼネコンに関するあらゆる情報について解説します。

ゼネコンについてなんとなく知っているけどよくわからないと思う人は、この記事を読んで理解を深めてみるとよいでしょう。

ゼネコンとは?サブコンとの違いやゼネコンの仕事内容など解説

ゼネコンとは

ゼネコンとは、ゼネラルコンストラクター(General Constructor)の略で、総合建設業者のことです。

ゼネコンは総合建設業者として、大規模な開発事業や公共事業、住宅などあらゆる建設関係の仕事を請け負う会社です。

ときどきニュースでも「ゼネコンが新たに請け負った大型事業にもとづき、新たなインフラ基盤の開発が進められています」といった言葉を耳にします。
この言葉のとおり、ゼネコンは建設を総合的に請け負い、開発を進めている企業です。

ゼネコンは名前のとおり、その総合力に大きな強みを持っています。
長年に渡る実績と経験により品質管理や安全管理、設計にすぐれていることから建設業界にとってなくてはならない存在です。

なお、同じ建設の中でも工場のプラントや生産設備を手掛けるのはエンジニアリング会社と呼ばれます。

日本には世界有数のエンジニアリング会社が存在していて、日本の技術力が世界的に高く評価されています。
合わせて覚えておくとよいでしょう。

ゼネコンと建設会社・工務店との違い

一般的に私たちがよく目にする建設会社や工務店とゼネコンには大きな違いがあります。
それは業務内容の違いです。

建設会社や工務店は設計と施工を請け負うことが多く、一方、ゼネコンは設計、施工のほかに研究開発も行っています。

さらに、大型案件に対する営業活動や国レベルでの大規模な公共工事も手掛けていて、その名のとおり、総合建設業を事業としているのです。

一方、建設会社や工務店は比較的小規模な工事を行うことが多く、専門性や地域性に富んでいる点が大きな特徴です。

請け負う工事も地域のインフラや住宅など、その土地に詳しいという強みを活かしています。
こうした地場に根差した建設会社や工務店は非常に重要な存在であるといえます。

ゼネコンとサブコンの関係性

ゼネコンは規模によって大きく、ゼネコンとサブコンに分かれます。

ゼネコンは元請けとして工事案件を請け負い、請け負った案件を下位の建設会社に委託します。
このときゼネコンから受託するのがサブコンと呼ばれる会社です。
サブコンはさらに各建設会社に工事を発注し、人員や機材を手配します。

こうしてひとつの工事に対して複数の企業による体制が組まれ、実際の工事が進められるのです。

ここでは、ゼネコンとサブコンの違いについて解説します。

ゼネコン

先ほど解説したとおり、ゼネコンは総合建設会社として工事の受注、ならびに工事全体の施工管理を行う会社です。
ゼネコンは規模によってさらに、スーパーゼネコン、準大手ゼネコン、中堅ゼネコンの3つに分かれます。

3つの違いに明確な基準はありませんが、売上や従業員数といった会社の規模によって分類されることが一般的です。

スーパーゼネコン

スーパーゼネコンは売上が1兆円を超える規模の総合建設会社で、現在日本には5社存在しています。
いずれの企業も一度は耳にしたことがある有名な会社ばかりです。

国内の工事案件受注の約10%がスーパーゼネコンともいわれています。
受注案件の多くは建築で、請け負う工事の比率は約25%が土木工事、約75%が建築工事です。

準大手ゼネコン

準大手ゼネコンはスーパーゼネコンと中堅ゼネコンの間に位置する企業で、売上は約3,000億円から4,000億円規模の会社が準大手ゼネコンと位置づけられています。

売上規模はスーパーゼネコンには及ばないものの、かなり大規模な工事案件を請け負うことが多い会社です。
スーパーゼネコンと同様に大型ビルやダム、発電所など大規模な工事案件を取り扱います。

中堅ゼネコン

中堅ゼネコンは売上規模が1,500億円以上のゼネコンを指します。
全国規模ではないものの、地域密着型で柔軟性に富むという特徴があります。
地場に根付いた優良な企業が多いといえるでしょう。

サブコン

サブコンは、サブコンストラクター(Sub Contractor)と呼ばれる建設会社で、ゼネコンから建設を請け負い施工を行う企業です。

ゼネコンが取りまとめの役割を担うのに対して、実際の電気工事や空調設備工事、建築工事、土木工事などを請け負います。
通常、サブコンはある特定領域の工事に特化していることが多く、大規模な工事案件の場合は複数のサブコンが業務を請け負い、それぞれの工事を行います。

ゼネコンの仕事の流れ

ゼネコンが仕事を受注して実際の工事を行うまでの流れは以下のとおりです。

1. 営業活動
2. 工事案件への入札
3. 応札により案件受注
4. 発注元との打ち合わせ
5. 工事計画と設計
6. サブコンや建設会社へ一部業務の委託
7. 施工管理
8. 物件・工事完成後の引き渡し

このように、工事を行う際にはさまざまな手順を踏まなければなりません。
こうした管理や各種事務処理、手続きにも多くの工数を必要とします。

ゼネコンの事業内容

ゼネコンは工事の総元請けとしてさまざまな事業を展開しています。

事業内容は以下のとおりです。

・営業
・設計
・施工管理
・研究開発

それぞれの事業内容について解説します。

営業

営業は工事を受注するために発注者との間で行う活動です。

既存の顧客だけではなく、新規顧客を開拓するため地道な営業活動を展開します。
ゼネコンは長年培った経験と顧客との関係性により組織的な営業活動と最適な提案を行い、新規の工事案件を獲得します。

設計

設計は発注元の持つイメージを具体化し、詳細な設計に落とし込む業務です。
計画書や設計書の作成を行います。

設計の中には意匠設計や構造設計、概略設計など、工事や建設に関連するあらゆる事柄について設計が含まれます。

施工管理

施工管理は工事全般の進捗や品質の管理を行う業務です。
そのほかにも安全管理、原価管理など工事の進行に必要なさまざまな管理を行います。
施工管理の担当者は各種施工管理技士の資格を取得しなければなりません。

研究開発

ゼネコンの大きな特徴のひとつが技術開発です。
施工の効率化、建設機材の自動化などに多額の研究開発費を投じて、建設工事に最先端の技術を取り入れようと日々研究開発を続けています。
こうした研究開発は、すぐに結果が出るものではありません。

しかし、地道な研究により効率的で安全な工事が施工でき、ゼネコンそのものの付加価値を上げているともいえます。

まとめ

今回はゼネコンとは何か、ゼネコンとサブコンとの違い、ゼネコンの仕事などについて解説しました。

あらためて整理すると、ゼネコンはゼネラルコンストラクターと呼ばれる総合建設会社です。
工事の総元請けとして工事案件を請け負い、サブコンと呼ばれる企業に工事を発注し、設計や工事の施工管理を行います。

特に大規模な工事の場合、長年の経験とノウハウにより工事そのものを高品質で安全に進められる点がゼネコンの大きな強みといえるでしょう。

一方、サブコンは専門性のある工事を得意としているため、工事においてなくてはならない存在です。
さらに工事の発注と受注は下位の建設会社に細分化され、こうした建設会社の職人がいるからこそ、緻密な工事が行えるといっても過言ではありません。

ゼネコンの事業内容は営業から始まり、設計、施工管理、研究開発と多岐に渡ります。
こうした総合的なサービスを提供している点が総合建設会社といわれる所以です。

街中で大規模な建設工事を見かけたときには、ゼネコンの会社名をみつけることがあるかもしれません。
そのときには、この記事の内容を思い出しながら建設工事について理解を深めてみるのもおもしろいでしょう。

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