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アーク溶接の種類や特徴はコレ!アーク溶接の原理や注意点を知ろう

金属同士をつなぐ方法の1つが「溶接」です。
アーク溶接はその溶接の種類の1つですが、アーク溶接の中にもいくつかの種類があります。
アーク溶接とはどのようなものなのか、またその種類や特徴、その原理や注意点についてもまとめました。

アーク溶接の種類や特徴はコレ!アーク溶接の原理や注意点を知ろう

アーク溶接とは

金属同士をつなぎ合わせるためには、金属を溶かす必要があります。
金属を溶かすためにはその金属ごとの融点以上の熱を与える必要があります。
鉄であれば1,500~2,800度、ステンレスの場合は1,400~1,500度が融点となります。

アーク溶接ではアークという放電現象を利用し、5,000~20,000度の高温を与えられます。
溶けた金属同士を混ぜ合わせ、冷やせば金属が固まり、つながります。

アークの発生方法

コンセントから電化製品のプラグを引き抜いたときに、青白い光がぱっと発生することがあります。
実はこれがアーク放電です。

アーク放電自体は身近なものですが、これを人工的に発生させ活用する方法がアーク溶接です。
人工的にアーク放電を起こさせるためには、母材(つなぎ合わせる金属)にマイナスの電圧をかけ、電極(溶接棒)にプラスの電圧をかけます。
異なる電圧をかけることで反発が生まれ、アーク放電が起こるのです。

アーク溶接は大きく2種類に分けられます。
1つは電極が溶けて消耗するもので、もう1つは電極が溶けずに消耗しないものです。
前者を「消耗電極式溶接」といい、後者を「非消耗電極式溶接」といいます。

消耗電極式溶接

マイナスの電圧をかける電極が溶けて消耗するアーク溶接は、さらに7種類に細分化されます。

被覆アーク溶接

従来、主流といわれてきた溶接法で、電極を使い分けることで様々な金属の溶接が可能です。
手軽な溶接方法として利用されることが多かったのですが、溶着効率が低く、微細な粒子「ヒューム」が多量に発生するといった問題もあります。
溶接する人の技量により品質の差も生まれやすい方法です。

炭酸ガスアーク溶接

アーク溶接では「シールドガス」といって金属の酸化を防ぐガスを活用します。
そのガスに、炭酸ガスや炭酸ガスが主となる混合ガスを使う方法が「炭酸ガスアーク溶接」です。

炭酸ガスアーク溶接で「溶接ワイヤー」というコイル状のワイヤーを溶接トーチに通して使います。
このワイヤーは溶接トーチに自動的に供給されるため「半自動溶接」ともいわれます。
薄い板の溶接が可能で、アークの状態を確認しながら作業ができるなどのメリットがあります。
ですが、厚板の溶接には向かず、スパッタと呼ばれる微粒子が発生しやすいため接合部の見た目が悪いといったデメリットがあります。

ミグ溶接

シールドガスにアルゴンやヘリウムといった不活性ガスを使用する溶接は「ミグ溶接」となります。
炭酸ガスアーク溶接と同じで、電極の代わりに溶接トーチを使用します。
ミグ溶接は非鉄金属でも溶接可能で、溶接速度も速い特徴を持っています。

しかし、不活性ガスはコストが高く、アークも広がりやすいデメリットがあります。
アークが広がると溶け込みが浅くなるため、強度の低下や亀裂の発生が起こるリスクが増えます。
ただ、炭酸ガスアーク溶接に比べると仕上がりが美しいという特徴もあります。

マグ溶接

シールドガスとして炭酸ガスと不活性ガスを混合したガスを使う方法が「マグ溶接」です。
「炭酸ガスアーク溶接」や「ミグ溶接」と同様に、溶接トーチを電極の代わりに使用します。
混合ガスを使うことで、炭酸ガスアーク溶接よりスパッタが発生しにくく、ミグ溶接よりも低コストで溶接可能です。
アークの広がりもミグ溶接よりは狭くなります。

サブマージアーク溶接

粒状の被覆剤(フラックス)の中にワイヤーを送り、ワイヤーと母材の間にワークを発生する方法です。
被覆アーク溶接のようなヒュームやスパッタの発生が少なく、アーク放電が被覆剤の中で発生するため遮光が不要です。
ただ、溶接できる形状や姿勢が限られ、作業終了後は被覆剤の改修やスラグの剥離が必要となります。

セルフシールドアーク溶接

通常、アーク溶接ではシールドガスや被覆剤を使い、母材の保護や溶接不良を防ぎます。
ですが、セルフシールドアーク溶接では、ガスも被覆剤も使用しません。
チューブ状の溶接ワイヤーに脱酸素剤や被覆材を装填することで、母材の保護や溶接不良を防ぎます。

ガスを使用しないため、風が吹いている環境でも溶接可能で、手軽に溶接作業ができます。
ですが、スパッタやヒュームがたくさん出るため、仕上がりとしても被覆アーク溶接と同程度です。
また、専用ワイヤーが高額でコスト高となります。

スタッド溶接

電極や溶接ワイヤーを使わずに施工するアーク溶接で、スタッドと呼ばれるピンを使用します。
専用のガンにスタッドを取り付け、母材に押し当て電流を流すことで、アーク放電を発生させます。

非消耗電極式溶接

消耗電極式溶接は使用する電極や溶接ワイヤーが消耗する方法ですが、非消耗電極式溶接では電極を消耗しません。
消耗しない理由は、熱に強いタングステン電極を使用するためです。
タングステン電極はアーク放電をしますが、溶けないため金属同士をつなぎ合わせるためには溶加材となる溶接棒が必要となります。
シールドガスとして不活性ガスを使う「ティグ溶接」と、熱源にプラズマアークを使う「プラズマ溶接」の2種類があります。

非消耗電極式溶接はスパッタがほとんど出ず、高品質な溶接が可能です。
プラズマ溶接はティグ溶接よりもアークが広がりにくく熱集中性が高いため、隅肉溶接も可能です。

まとめ

アーク溶接は建設現場や金属加工工場などではよく見られる溶接技術です。
使用する電極やガスによって様々な種類に分けられますし、その特徴も変わります。

京和工業株式会社では、住宅・建築・土木など、幅広い事業を展開しています。
アーク溶接を行う仕事に興味をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。
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