建築コラム

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土砂は産業廃棄物に入らない?建設汚泥との違いを解説

建設工事を行う際、土砂がでるのは決して珍しくありません。
建設工事に出る廃棄物は基本的に「産業廃棄物」扱いであり、定められた方法で費用をかけて処分しなければなりません。

しかし、土砂は産業廃棄物には含まれないと法律で定められています。
その一方で「泥」は「汚泥」と呼ばれる産業廃棄物です。
この記事では、土砂の定義や汚泥との違い、区別の方法などを紹介します。

 

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土砂は産業廃棄物に入らない?建設汚泥との違いを解説

建設工事を行う際に発生する土砂とは何か

建設工事の際に出る「土砂」とは、以下のような定義を満たすものです。

● 地表を掘ったり地盤を掘削したりして採掘された、石・砂・礫(小石)など、概ね75ミクロン以上の直径のものが95%を占めるもの
● 有害物質を含まないもの
● 水分が除去でき、流動性がないもの

なお、採掘時に水混じりであって泥状のものであっても土砂です。
ただし、採掘の途中で有害物質以外のものと混じり合った場合は、産業廃棄物扱いとなります。

一例をあげると、コンクリートや金属片などです。
たとえば、住宅を取り壊して土砂が出た場合、そこに金属片やコンクリート片が混じっていれば産業廃棄物扱いとなり、土や石だけならば「土砂」になります。
なお、不純物を取り除けたら、その時点で土砂に分別されます。

建設汚泥とは何か?

建設汚泥とは、建設工事の最中に発生した泥です。
土砂と汚泥の違いは、水分の含有量です。
目安としては、標準仕様のダンプカーに山積みができず、その上を人が歩けないような状態の土が「汚泥」と位置づけられます。

なお、積載時は人が歩けるほどの硬さがあったとしても、運搬中に練り返しによってドロドロになってしまう場合は「汚泥」です。
掘削時に、水分を一定の基準で抜いて、それでも山積みにできない程度の水分が残っている時点で「汚泥」と判断されます。

汚泥は産業廃棄物扱いになり、土砂とは別の方法で処分しなければなりません。
土砂と混ぜて処分もできませんので、注意してください。

 

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建設汚泥は乾いたら土砂になる?

汚泥と土砂の違いは、含まれている水分量や有機物の量の差です。
水分は、時間をかければ飛ばせます。
たとえば、月単位、年単位で汚泥の水分を抜いても、やはり汚泥のままです。

汚泥か土砂かの違いは採掘時に決まります。
一定の手順や方法を用いて採掘を行ったあとでも人が乗れないほどの水分を含んだ状態、もしくは練り直しでドロドロになる場合は、泥土です。

目安としては、コーン指数がおおむね200kN/m2以下、及び一軸圧縮強度がおおむね50kN/m2以下です。
逆に、採掘時にたっぷり水を含んでも、一定の処置後に水分が抜けている場合は土砂となります。

泥土か土砂かの区別は難しい場合もありますが、採掘時に土砂・泥土と決めたらそのあとにどんな状態になろうと覆らないと覚えておくといいでしょう。

土砂は建設発生土として処分する

建設工事中に発生した土砂は「建設発生土」として処分します。
建設発生土は、ふるい分け・異物除去・粉砕・細粒化などを行って、盛り土材、埋め戻し土材として再利用されるのです。

前述したように産業廃棄物ではありません。
そのため、産業廃棄物運搬業者などを通さなくてもリサイクル業者などに処分を依頼できます。
マニフェスト伝票の記載も必要ありません。

ただし、自治体によっては「できるだけ建設発生土を抑えるように」といった政策をとっている所もあります。
また、土砂は産業廃棄物ではありませんが、好き勝手そのあたりに捨ててよいものでもありません。

会社がある自治体のルールに沿って処分してください。

土砂として処分できない土の種類とは

ここでは、汚泥ではありませんが土砂として処分できない土の種類について解説します。
どのような土が産業廃棄物扱いになるのか、知りたい方は参考にしてください。

その1:土砂以外が混じっていて除去できない

建設現場から採掘された土砂の中には、異物が混じっている場合があります。
たとえば、コンクリート、木片、金属片などです。
土砂として処分できるのは、土・砂・礫(小石)だけなので、それ以外が混じっている場合は、土砂として処分できません。

ただし、丁寧に分別して異物を取り除いた場合は、土砂として処分が可能です。
異物が混じっている土砂は、産業廃棄物扱いとなり、自治体のルールに沿った処分が必要です。

その2:有害物質が混じっていて分離できない

化学工場などの跡地などの土砂には、有害物質が混じっている可能性もあります。
また、銅山をはじめとする金属の採掘場の土にも有害な物質が混じっている可能性が高いでしょう。

有害物質が混じっている場合でも、分離ができれば土砂として処分可能です。
しかし、処理をしても分離ができない場合は産業廃棄物扱いになります。
混じっている有害物質の種類によっては自治体のルールに沿って特別な処理方法が必要になることもあるので、どんな物質が含まれているのか調査する必要があります。

まとめ 土砂は基本的に産業廃棄物ではない

土砂は、基本的に産業廃棄物ではありません。
再生できるリサイクル品として扱われます。
一方、泥土は産業廃棄物扱いです。

同じ土でも、採掘当時の水分の含有量に伴って「汚泥」と「土砂」に分かれるので、その区別をしっかりとつけましょう。
さらに、土砂でも有害物質や異物が混じっていれば「産業廃棄物」扱いとなります。
産業廃棄物扱いとなったら、しかるべき業者に処分を依頼します。

 

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